2014年09月17日

個性とは探すものでなく、すでに持っているもの


個性とは・・・page5

山登りのように、頂上に立ってしまえばみな同じですが、どのルートを使って登っていくかは人それぞれ。で、最近やたらとこの個性を大事にと言われます。誰が言っているのかよくは知りませんが・・・ 子育てで、学校で、就職活動で、職場で。何でも個性に結び付けようとする。個性ってホントにそんなに大事なものなのでしょうか。いずれにしても、戦後、日本人は自分を重要視する傾向が強くなったと言われます。解剖学者であり東京大学名誉教授の養老孟司氏は言います。「特徴や長所があるのはいいことである。しかし、そのような個性は、別に「発揮せよ」と言われなくても自然と身についているものである。周囲がお膳立てをして発揮させたり、伸ばしたりする類いのものではない。むしろ周囲が押さえつけにかかっても、それでもその人に残っているものこそが個性なのである。個性は放っておいても誰にでもある。だから、この世の中で生きていく上で大切なのは、人といかに違うかではなくて、人と同じところを探すことである。世間に押しつぶされそうになってもつぶれないものが個性である。結局、誰しも世間と折り合えない部分は出てくる。それで折り合えないところについては、喧嘩すればいい。それで世間が勝つか、自分が勝つかはわからない。でも、それでも残った自分が本当の自分のはずである。本当の自分は、徹底的に争った後にも残る。むしろ、そういう過程を経ないと見えて来ないという面がある」と。つまり、個性とは探すものでなく、すでに持っているものだと。
  

Posted by 小林史人 at 18:00Comments(0)